狂った一頁

僕達を縛り付けて独りぼっちにさせようとした全ての大人に感謝します。

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『絶歌』“元少年A”の目的

神戸連続児童殺傷事件の加害者男性、“元少年A”の手記『絶歌』を読んだ。
おそらく、“元少年A”を名乗る人物は、あの“酒鬼薔薇聖斗”本人であると思うので、その前提でここに自分なりに思うところを書いてみることにしよう。

自分の思いを表現せずにはいられなかった彼の気持ちは痛い程分る。
しかし、内容はというと、大手出版社から出版されるほどの価値はなかった、というのが僕の総論だ。

この本に書かれている彼の思い、後悔、感謝、その他全て心情は既にもう文学作品の中で全て語れていることだった。
僕の数少ない読書歴の中で言えば、三島由紀夫『金閣寺』、柳美里『ゴールドラッシュ』、重松清『疾走』、この三冊の中で彼の言いたかったことはほぼ全て語られている。小学生の頃から犯行に至るまでの自分を形成していたものを語ったあたりの表現方法は「あぁ、金閣寺とか好きそうだなぁ」と思って読んでいた。そしたら、後の方で『金閣寺』については「自分にとって人生のバイブルだ」と書いてあって、やっぱりなと思った。
でも、犯行に使われたタンク山や池がどれほど彼にとって大切な場所であったかや、その他ここに書かれていること全て「どうにかして吐き出したい」「表現したい」「残したい」という強い思いは痛々しくクドい程よく伝わって来た。
第一部で事件当時の自分を純文学私小説風に語り、第二部では医療少年院を退院してから現在にいたる自分を体験記風に語っているのだが、この他に類を見ない特殊な自分をこのまま陽の当たらない場所で、誰にも語れずにひっそりと生きて行くなんて、高い知能を持った彼には絶えられないことだったのだろう。

この本の目的は大きく2つあると僕は思った。

<目的その1>
「自分を表現したかった」勿論、「伝えたい」のもあるだろうけど、伝えるというより「表現したかった」というのが本音だろう。

<目的その2>
「両親は何も悪くない、それだけは世間に分ってもらいたい」ということ。

自分は脳の機能不全によるモンスターであり、決して両親の愛情不足、無関心から心を病んだわけではない。そして、二人の弟たちも同じく、今までもそしてこれからもずっと重い十字架を背負って生きて行かなければならない。だけど、「両親も弟たちも、彼等はごく普通の愛に溢れた人間です。僕とは違います。皆さん、どうかこれでけは分って下さい」ということが“医療少年院、更生保護施設を出た元少年Aの立場”で語られている。
実際、犯行当時の両親のことは殆ど語られていないのだが、医療少年院入院以降のエピソード、特に父親への想いと二人の弟に対しての記述は涙なくして読めない。家族に対する彼の切実な想いは確かに伝わって来た。

彼の御両親の書かれた手記も以前に読んいるし、家族の苦しみは並大抵のものじゃないのは分っている。
でもその上で、ちょっと意地悪く突っ込みたい。
確かに少年Aは最狂のモンスターだ。高機能広汎性発達障害とか、アスペルガー症候群などと分類される人達の中には単なる個性では済まない深刻な問題を抱え、通常の子育てが通用しない。しかしだ、早い段階で彼の「障害」に気付いてあげられれば何かしらの手を打つことが出来たかもしれないのだ。事実、医療少年院とその後の更生保護施設での少年Aの更生プログラム(他に類を見ない程のスペシャルプロジャクトチームではあるが)は功を奏して、彼は「更生」したのだから。
当時は今程に精神医学の分野が進んでいなかったのも事実なので、彼の精神が個性の範疇を超えていることに気付けなかったことを責めることはできないのもまた事実ではあるが…。

事件が起きたからこそ、彼は今、通常の社会生活がおくれるレベルまで回復出来たというのは何とも皮肉なことである。


また長くなってしまった。。。
つづきはまた後日にしよう。
次回は「彼は本当に更生出来たのか?そもそも何を持ってして更生なのか?」というようなことを考えてみたい。
僕にまだ気力が残っていればだけれど、、、


ちなみに、事件のこと、少年Aのことを詳しく知りたければ、

『少年A 14歳の肖像』髙山文彦著・新潮社
『少年A 矯正2500日全記録』草薙厚子著・文藝春秋
『少年A この子を生んで… 父と母 悔恨の手記』少年Aの父母著・文藝春秋

の3冊をお奨めします。

ただ、更生保護施設を出てからの生活と精神鑑定医にも話さなかった本当の「初めての精通体験」については、今まで誰も知らなかったことなので他の本には書かれていないでしょうけど。


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