狂った一頁

僕達を縛り付けて独りぼっちにさせようとした全ての大人に感謝します。

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ミニトマトを喰らう少女

夕方の山手線。
やや混雑した車内に、ミニトマトの入ったパックを持ってその彼女は立っていた。

年齢は18歳から20歳の間と云ったところだろうか。背は高く色の白い、美人と云うよりは愛嬌のある、所謂ハーフっぽい顔立ち。服装からは、裕福で円満な家庭が想像に難くない。例えるなら、キューピーマヨネーズのCMに出て来そうなモデルと云うところ。まぁそんなところだ。

それはさておき、私が注目したのは彼女のビジュアルでははく、彼女の左手に握られているミニトマトのパックだった。どこのスーパーにも置いてある極普通のミニトマト1パックだ。

彼女は、パックから枝付きのミニトマトを1つ1つ取り出し、枝をもぎって食べていた。
さすが外国人(っぽい人)がやると野菜食ってるだけでも画になるもんだ。と、その野菜を食うという行為に生活感を微塵も感じさせない、一種の“ゆとり”の様なものに、思わず感心してしまった。

私が独り感心している間も、彼女は、約30秒間隔でミニトマトをもぎっては食す、と云うハイセンスな行為を続けているのだが、そこで私はあることに気がついた。

よく見ると、もぎったトマトをシャツの裾で拭いている。何となく、さりげなく、と云った感じだが、それが逆に周囲に気付かれないよう注意して拭いている様に見えるのだ。そう云えば、パックから取り出して口に運ぶまでの動作は、必要最小限に停められている(パックを持った左腕は決して動かさず、その存在すら忘れ去ろうとしている様だ)し、視線を1度もミニトマトには向けず、ずっと窓の外を見ている。明らかにぎこちなく不自然なのである。

もしかして君、恥ずかしいの?
でも、“恥ずかしい”よりミニトマトを今すぐ食べたいと云う欲望に勝てなかった、ただの意地汚い子だったの?

この山手線で野菜(ミニトマト)を食べるという行為は、彼女の中では、ごく自然なことなのか、カッコいいことなのか、それとも、ちょっと恥ずかしい行為と位置づけられることなのだろうか?

答えの出ぬまま、彼女は1パック全部食べ終わってしまった。


改めて彼女がミニトマトを拭いていた裾の所を見ると、気のせいか少し擦れて白くなっている。農薬だろうか。それと、毛玉に混じってトマトの枝のカスも付いていた。
彼女は、空になったパックを紙袋にしまい、文庫本を読み始めた。




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テーマ : 戯言    ジャンル : 日記

Comments

>金太様 
嬉しいコメント有難うございます。
またのお越しをお待ちしております。
 
面白かったです。なんとなくこういうの好きです。

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